図解! 〜レザーブーツ代表的構造について〜


ここではブーツの代表的な構造についてご説明いたしましょう。
修理やカスタムオーダーのお問い合わせの際、参考になさって下さい!

ここに取り上げたパーツ構造はあくまで代表的なものです。
これ以外の構造で製造しているブーツ工場も少なくありません。 
カスタムオーダーや修理のお問い合わせの際はご注意ください!

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1)グッドイヤーウェルト製法:
1) グッドイヤー・ウェルト製法

19世紀の半ば、英国人のグッドイヤーさんという人が発明した革命的靴製造法。

【構造】 まずヴァンプ、ミッドソールリブ、ウェルトをいっしょにすくい縫いし、コルク(スポンジ状の詰め物。コルク状のものが多く使われる)をつめてウェルトとアウトソールを縫い込む。

【特徴】 複式縫いのお陰でヴァンプからウェルトが独立している為、ソールの交換修理が比較的容易。また本来はアウトソールとウェルトは接着剤を使わず糸だけで固定する為通気性が良い。 製造には熟練した技術と製造設備が不可欠なので、良質のグッドイヤー製法ブーツは必然的に高価になる。

トラディショナルなブーツには欠かせない方法で、比較的高価な北米産ブーツのほとんどがこの方法を用いている。

当店取り扱いのBoulet Bootsもこの製法を用いてブーツを製造している。
2)ステッチダウン製法:

2) ステッチダウン製法

【構造】 ワーキングブーツの製法としてはグッドイヤー製法の登場以前から存在した割と原始的な製法で、最大の特徴はヴァンプが靴の内側ではなく外側に張り出し、そのままミッドソールと糸で結合する一体型ウェルトとなる事である。 図では別体型のウェルトカバーのようなパーツが施されているが(このようなタイプのステッチダウンブーツをグットイヤーブーツと間違える人は非常に多いようだ)、当店取り扱いのWESCOでは、もろにヴァンプの根元がウェルトを兼ねているのが良く解かる造りになっている。

【特徴】 ヴァンプが内側ではなく外側に張り出しているため機密性が高い為、質実剛健を尊ぶワーキングブーツに未だに使われていることがある。 WESCOやWhite'sが「靴業界のシーラカンス」と呼ばれる所以である(!?) 一体型のためソール交換時にはヴァンプもいっしょに交換する必要があり、時間と費用と、なにより製造工場以外で完全修復が出来ないという不便さがある。
White' Boots のカッタウェイ画像

工場に行って貰った貴重なカッタウェイモデル! ちょっと自慢!?
3)マッケイロックステッチ製法:
3) マッケイロックステッチ製法

【構造】 ヴァンプ、ミッドソール、アウトソールを一度に上下2本の糸でロックステッチにより通し縫いする。 似たような製法で、ソールを2重に使いヴァンプとミッドソールを縫込み、ミッドソールとアウトソールを靴のアウトライン側からもう一度縫いこんで固定する方法がある(ノルウィージャン製法の変形型)が、全く別物。 

因みにノルウィージャン製法というのはモカシンシューズのように一枚革で足をくるむようなインナーソール一体型アッパーとソールを一度に縫いこむかなり原始的な製法。

【特徴】 現在ではワーキングブーツに使われる事は稀になっている。 ウェルトが無く高級ドレスシューズによく使われている製法である。 インナーソールが生きている限り、ソールの交換が可能だ。 

この構造の応用でステッチダウンやグッドイヤー製法のブーツのソール交換修理を行なう場合があるため、参考までに紹介した。
4)セメント製法:
4) セメント製法

【構造】 現在一般的な靴の製法の大半を占める方法である。 ご覧の通り釘も糸も使わずに各パーツを接着剤やインジェクションで接合する製法。 構造が簡単なので製造コストが安く付く為、安価なブーツに良く使われる。 ときおりアウトソールの張り出しを利用した偽ウェルト(?)に、これまた偽ステッチを施した、なんちゃってグッドイヤーやなんちゃってステッチダウンのモノがある。 ウェルトやソールが硬質ゴムや軟質プラスチックのものは要注意(?)だ。

【特徴】 安い靴に良く見かけるが、オールソール交換などは問題外。 なぜなら修理代金がそのブーツそのものよりも高くなってしまう可能性があるから。 

靴の修理の問い合わせに関しては、お持ちの靴の種類を理解しておくと話がスムーズである。 こんな種類の製法のブーツもあると言う事を知っていて損はないであろう。

〜ブーツの素材〜


牛革: ブーツの素材として最も一般的な素材 しかしその牛革にも幾つか種類が存在する。


1) 生後6ヶ月以内のものを カーフ 半年から2年までのものを キップ という。
2) 生後2年以上のメスを 
カウ
3) 生後3〜6ヶ月以内に去勢したオスで生後2年以上のものを
ステア
4) 生後3年以上のオスの成牛を 
ブル と呼ぶ。

馬革: ホースハイド 牛革より繊維が軟らかく表面も滑らか。 
特に尻の部分が丈夫で光沢がありコードバンと呼ばれる。

鹿革: ディアスキン(裏革に使うものをバックスキンと呼ぶ) 水に強くしなやかで丈夫。 
ブーツのライニングに使われるが稀にブーツそのものを構成する事がある。

豚革: ピッグスキン 牛革利用範囲が広い。 
摩擦に強くカジュアルな靴に使われることが多い。

羊革:
 シープスキン 薄く柔らかで裏革などに広く使われる。


〜革の仕上げ〜

多種多様な革材料もなめし方や仕上げ方でその呼び名が変わります。


1) オイルドレザー: きめの細かい革は天然皮革独特の表面を生かしてなめされる。 オイルをたっぷりし染み込ませて仕上げるオイルドレザーなどはその端的な例。

2) スムースレザー: 俗に言う「ガラス仕上げ」 なめした後乾燥させ表面をバフがけし顔料と合成樹脂を塗ってつるつるに仕上げる。 

3) スエード: 革を研磨材でバフ。 繊維を分離させて毛羽立たせる。

4) ベロア: 
牛革の裏側をバフがけしたもの。 スエードより毛足が長い。

5) ヌバック: 
牛革の表面をごく軽くバフしたもの。 ビロード上に軟らかく仕上げる。



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